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2.3 TCP/IP の基本事項

2.3.1 IP アドレス

IP アドレス(IP address)は, インターネットに接続された装置を識別するアドレス(番地)です。 0 から 255 の間の 10 進数を 4 つ並べて構成されます (IPv4 の場合)2
例) 202.252.145.6

IP アドレスはインターネットに接続された各装置を特定するものであり, HTTP 等の TCP/IP を基礎とする通信では, 通信先や通信元装置の指定は IP アドレスによって行われます。 したがって,通信を行うコンピュータには, IP アドレスが設定されている必要があります。

インターネット上の異なる装置が同じ IP アドレスを持つことは許されません。 このため, コンピュータに設定できる IP アドレスは, 重複が起きないように割り当てを受けた IP アドレスのみです 3

2.3.2 サブネットマスク

2.1 章で述べたように, コンピュータネットワークは,通信の効率を高めるために, 比較的小さなネットワークの相互接続によって構成されています。 ネットワークに接続されている 各装置の IP アドレスには,その装置が接続されたネットワークを表す部分 (ネットワークアドレス部) と,装置を表す部分(ホストアドレス部)があり, サブネットマスク (subnet mask) はこれらの分離の仕方を指定するものです4。 ネットワークに接続された装置には,割り当てを受けた IP アドレスに加え, ネットワークアドレスの長さに応じたサブネットマスクが設定されています。

例) IP address: 202.252.145.6, subnet mask: 255.255.255.0 だと 5, ネットワークアドレス部は 202.252.145 まで (ネットワークアドレスは 202.252.145.0) で, ホストアドレス部は残る 6 の部分。

2.3.3 デフォルトゲートウェイ

デフォルトゲートウェイ (default gateway) は, ネットワークの出入り口となる装置の IP アドレスを指定するものです。
 network A       network B
+==+======+     +======+===
|  |      |     |      |
a  b      ga - gb      c

同一ネットワーク内の装置同士は直接に通信できますが, 異なるネットワークに接続された装置との通信には, ルータ (router) という役割をもつ装置を介す必要があります (上の図では ga-gb がルータ)。 コンピュータは,ルータの IP アドレスを知らなければ, 外部ネットワークとの通信ができません。 デフォルトゲートウェイには,ルータの IP アドレスを指定します 6