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7 マニュアルページの閲覧 -- man

これまでにも man コマンドでいろいろなことを調べてきましたが,ここで man コマンドの使い方を整理しておきます。UNIX は開発当初から「紙のマニュアル を用意しなくても利用できる」ように設計されています。つまりマニュアルは計 算機内に格納されており,いつでも参照することができます。これをオンライン マニュアルといいます。

7.1 man コマンドの基本操作

man コマンドでオンラインマニュアルを閲覧するには,コマンド等の調べたい事 項(name)を引数に指定して,man name を実行します。例 えば man コマンド自身の使い方を知りたいときには man man とします 27

ユーザーが頻繁に利用する代表的なコマンドのマニュアルには日本語訳がありま す。man コマンドで日本語マニュアルが表示されない場合には,jman コマンド を試してみましょう。

man あるいは jman コマンドを実行すると,マニュアルの最初のページが表示さ れた状態で止まります。これは,man や jman が内部的に more コマンドを起動 し,more がマニュアルを表示しているからです28。 第4.6節で紹介したとおり,more は pager という種 類のプログラムであり,画面に納まりきれない長い文書を一画面毎に表示します 29。 man コマンドによるマニュアル閲覧の基本操作は以下のとおりですが,さらに詳 細を知りたければ more のマニュアルを見てください30

7.2 マニュアルページの見方

man コマンドで表示されるマニュアルページは

などのいくつかの項目に分かれています。ここでは特に SYNOPSIS (書式) に着目します。コマンドは書式に従って実行しなければいけません。

7.2.1 SYNOPSIS (書式) の見方

次に示すのは man コマンドのマニュアルページにおける SYNOPSIS (書式) の例です。

man [-adfhkotw] [-m machine] [-p string] [-M path] [-P pager] [-S list]
    [section] name ...

7.3 キーワード検索

正確なコマンド名を知らなくても,キーワードからコマンド名などを検索するこ とができます。 そのためには「man -k キーワード」 32を実行します。 この実行形式では,man コマンドの SYNOPSIS (書式) における name の箇所に キーワードを指定していることになります。


7.4 問題

  1. マニュアルページ最後の方には,通常,SEE ALSO (関連項目) という項 目が存在します。そこに記載されているのは,当該マニュアルの関連事 項が載っている他のマニュアルページのリストです。 man のマニュアルの SEE ALSO の例は次のとおりです。
     SEE ALSO
         apropos(1), groff(1), manpath(1), more(1), whatis(1), man(7), mdoc(7)
    

    ここでコマンドと思しき単語の後ろには「(数字)」 が書いてあります。 マニュアルページには複数のセクション (section) が存在する場合があ り,「(数字)」はそのセクションを表しています。例えば,「man (7)」 は man のマニュアルページ・セクション 7 も見てください,というこ とです。

    さて,man man を実行すると,man (1) が表示されます。では,man (7) を読むにはどうしたらいいのでしょうか。man (1)の SYNOPSIS をよく見 て,実行してください。

  2. 今年4月のカレンダーを表示するにはどうすればいいでしょう。cal コマ ンドのマニュアルで SYNOPSIS (書式) を確認し,実行してください。

  3. 今年4月のカレンダーが入ったファイルを作成してください。ファイル名 はお任せします。今年5月の カレンダーのファイルも作成してください。続いて,cat コマンドを一 度実行するだけで,今年4月と5月のカレンダーを画面に表示してください。 ついでに,それをファイルに保存しましょう。

  4. 前項で作成した三つのファイルを,mv コマンドを一回実行するだけで, 既存のディレクトリ unix に移動してください。


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平成17年12月7日