何も起こらないどころかプロンプトも帰ってきません。
一般に,プロンプトが表示されない状態でコマンドを打っても,そのコ マンドは実行されません。
まだ何も起こりませんね。
wc の実行結果が出力され,プロンプトが戻りました。wc は実行を終 えました。
ファイル名を指定せずに wc を実行すると,wc はキーボードからの入力を処理 します18。2. においてプロンプトが表示されなかったのは, wc が実行中であり,キーボードからの入力を待っている状態だったからです。
4. の終りに入力した CTRL-d は,UNIX で一般的に使われる「入力の終 わり (正確には,ファイルの終り; EOF = End Of File)」 を示すもの です。wc は CTRL-d が入力されたのでキーボードからの読み込みを終了し, 実行結果を画面に出力しました19。
なお,この例では 2 行 4 単語を入力しましたから,行数と単語数に関しては wc は正しい結果を出力しています。一方,文字数については,画面に表示され ている入力文字数(空白文字を含む)より 2 文字分多いはずです。これは,行末 に入力した <ENTER> を,wc が文字として数えているからです。実際, <ENTER> で入力したものは特殊な文字であって,通常の文字として表示される 代りに,画面上では改行として表示されているのです。
wc は実行を終えプロンプトが戻りましたが,CTRL-d を押したときと違っ て,wc の実行結果が出力されません20。
コマンドを実行したのだけれど動作がおかしい,とか,プロンプトが戻るまでの 時間が長すぎる,といった場合には CTRL-c によるコマンド中断を試してみる といいでしょう。コマンド行でタイプミスをしてしまい,最初から打ち直したい 場合にも,CTRL-c が使えます。ただし,コマンドを正常終了できる場面では, 正規の終了操作をすべきです。
また,cat コマンドに引数を与えて実行した場合の動作から類推して,引数なし の cat がどんなことをしているのか,考えてみましょう。