next up previous contents
Next: 3 困ったときには Up: UNIX 基礎演習 B 組 資料 Previous: 1 授業概要

Subsections



2 まず使ってみよう

2.1 はじまりとおわり

それぞれの X 端末のところに使い方を記した文書が用意されています。示さ れているとおりに操作してみてください。

UNIX では利用開始にあたり「自分は誰であるか」を計算機に伝え,「この装 置を利用する許可が与えられているか」を認証します。このことをログ イン (login)と呼びます。ログインに成功すれば晴れて計算機を使うことが できます。これに対して利用終了のことをログアウト (logout)と呼び ます4

2.2 もっと使ってみよう

  1. それではもう一度ログインして,画面をながめてみてください。
    画面には bow@a1sv[1] などと表示されているはずです。こ れはコマンドプロンプト (command prompt)あるいは単に プロンプト (prompt)と呼ばれるものです5
  2. ここで date と入力して <ENTER>(矢印がついている大き なキー)を押してください。入力をまちがえたときには BS キーでま ちがえた文字を削除できます。現在の日付と時刻が表示されましたか。
    UNIX ではプロンプトに引き続いてコマンド (command)を入力 します。コマンドとは計算機にやらせたい作業のことです。コマンド の最後には <ENTER> を押します。date は現在の日付と時刻を表示 するように計算機に対して命令するコマンドです。決して恋人と「る んるんする」ことではありません。

    コマンド入力のためのプロンプトが存在する行をコマンド行 (command line) と呼びます。
  3. 次に大文字で DATE と入力して <ENTER> を押してください。 SHIFT キーを押しながら英字を入力すると大文字になります。
    Command not found. 「コマンドが見つかりません」としかられます。 UNIX では大文字と小文字は区別されます。
  4. cal コマンドを実行してください。 今月のカレンダーが表示されましたか。
  5. 次に cal 7 1999 を実行してください。cal と入力した次に, 手前の何も書いていない細長いキー「これをスペースと呼びます」を 押し,さらに 7 以降を入力します。1999 の年 7 の月 のカレンダーが表示されましたか。
    cal コマンドのうしろの 7 1999 は引数 (ひきすう; argument)と呼ばれるもので,コマンドに対してその動作をより詳細 に記述するものです。cal コマンドは指定されなければ今月の,指定 されれば指定された月あるいは年のカレンダーを表示します。
  6. 次に途中の空白を入れずに cal71999 を実行してください。
    Command not found. 「コマンドが見つかりません」としかられます。 コマンドと引数および複数の引数の間には空白が必要です。
  7. プロンプトのうしろで <ENTER> だけを押してみましょう。
    次のプロンプトが表示されるだけで何も起こりません。
  8. 何回かスペースを入力して <ENTER> を押してみましょう。
    やっぱり次のプロンプトが表示されるだけで何も起こりません。
  9. man date を実行してください。
    date コマンドのマニュアル(MANual)が表示されました。 一画面におさまりきらないため, 最終行に何やら表示されて止まっています。 スペースを押すと次の画面に進みます。 終わりまでたどりつくか,q を打つと終了します。

2.3 ここまでのまとめ

  1. UNIX ではプロンプトに引き続いてキーボードからコマンドを入力し, 最後に <ENTER>(矢印がついた大きなキー)を押すことによってコマ ンドを実行します。
  2. 入力をまちがえたときには BS キーで修正できます。
  3. 大文字と小文字は区別されます。
  4. 大部分のコマンドには引数をつけることができます。コマンドと引数, および複数の引数の間は空白で区切ります。

2.4 もっともっと使ってみよう

  1. clear コマンドを実行してみましょう。
    きれいになりましたか。
  2. sleep 5 を実行してしばらく待ってみましょう。
    計算機もお休みになるようです。
  3. echo コマンドを実行してみましょう。
    何か表示されましたか。
  4. echo I love you. を実行してみましょう。 あなたは計算機に愛されていますか。
    echo コマンドは与えられた引数を画面に表示するコマンドです 6。引数が指定されなければ何も表示されません。由緒正しき UNIX 純正コマンドはこのように必要のないことは基本的にしゃべり ません。
  5. whoami コマンド「わたしはだーれ」を実行してみましょう。
    あなたは誰でしたか。
  6. finger takenaka を実行してみましょう。 利用者登録されている「たけなかさん」が表示されましたか。
    表示される情報には氏名のみならず利用者名なども含まれています。 これは電子メールアドレスを調べるときに利用できます。
  7. 「自分の名前」にログイン名 (hs????) を書いて 「finger 自分の名前」を実行してみましょう。

    続いて,自分の名前に氏名の``氏''をローマ字で書いて finger を実行しましょう。``名''も試しましょう。

  8. 引数をつけずに finger コマンドを実行してみましょう。
    現在あなたと同じ計算機を使っている利用者が表示されます。
  9. who コマンドを実行してみましょう。
    finger とほぼ同等の出力が得られました。
  10. w コマンドを実行してみましょう。
    finger や who とよく似た出力が得られました。finger, who, w の 出力は微妙に違いますので用途に応じて使い分けましょう。
  11. hostname コマンドを実行してみましょう。
    hostname コマンドはあなたが実際に使用している計算機の名前を 表示します。 実はあなたは目の前の X 端末だけを使っているのではありませんでした。

    あなたは目の前にある計算機を使っているはずなのに, hostname コマンドはちょっと離れた計算機名を表示していますし, finger, who, w ではあなた以外の人も 同じ計算機を使っていることがわかります。 同じ計算機を使っている人は,どの席にいるでしょう?

2.5 コマンドのまとめ

第 2 章に登場したコマンドを以下にまとめます。 右欄の和訳を知りたい人は 「 jman コマンド名 」 を実行してみましょう7。jman を終了するには man と同様に q を押します。
cal displays a calendar
clear terminal capability interface
date display or set date and time
echo write arguments to the standard output
exit おしまい
finger user information lookup program
hostname set or print name of current host system
man format and display the on-line manual pages
sleep suspend execution for an interval of time
w display who is logged in and what they are doing
who display who is logged in
whoami display effective user id


2.6 問題

UNIX のコマンドを使って以下を実行してみましょう。
  1. 今日は何日でしょう。
  2. 今月中に日曜日は何回あるでしょう。
  3. 今年の元日は何曜日だったでしょう。
  4. 自分の生まれた日は何曜日だったでしょう。
  5. 自分の名前を計算機から出力させてみましょう。
  6. 「男の人が二人」(man man) を実行したときには何が起こり ますか。結果を予想をしてから実際に実行してみましょう。
  7. 「男と女」(man woman) および「女と男」(woman man) を実行したときの出力を比較して,なぜこのように異なった出 力が得られるのかを考えましょう。
    一般論として「エラーメッセージ」は注意深く読む習慣をつけましょ う。
  8. jman コマンドのオンラインマニュアルを,英語と日本語それぞれで表 示しましょう。


next up previous contents
Next: 3 困ったときには Up: UNIX 基礎演習 B 組 資料 Previous: 1 授業概要
Hideaki Konno
平成16年11月4日