wc はファイルのバイト数・単語数・行数を表示するコマンドです。
何も起きないどころかプロンプトも表示されません。
プロンプトが表示されないままでコマンドを打っても,そのコマンドは実行されません。
まだ何も起こりませんね。
wc の実行結果が出力され,プロンプトが現れました。wc は実行を終えました。
ファイル名を指定せずに wc を実行すると, wc はキーボードからの入力を処理します5。 2. においてプロンプトが表示されなかったのは, wc が実行中であり,キーボードからの入力を待っている状態だったからです。
4. で使った CTRL-d は「入力の終わり (正確には,ファイルの終り; EOF = End Of File)」を意味するキーです。 wc は CTRL-d が入力されたのでキーボードからの読み込みを終了し,実行結果を画面に出力しました6。
なお,上の操作ではキーボードから 2 行 4 単語を入力しましたから, 行数と単語数に関しては wc は正しい結果を出力しています。 一方,文字数については,画面に表示されている入力文字数(空白文字を含む)より 2 文字分多いはずです。 これは,行末に入力した <ENTER> を,wc が文字として数えているからです。 実際,<ENTER> で入力したものは特殊な文字であって,通常の文字として表示 される代りに,画面上では改行として表示されているのです。
コマンドを実行したけれど動作がおかしい,とか,プロンプトが戻るまでの時間が長すぎる,という場合には CTRL-c によるコマンドの終了を試してみるといいでしょう。 コマンド行でタイプミスをしてしまい,最初から打ち直したい場合にも,CTRL-c が使えます。 ただし,コマンドを正常終了できる場面では,正規の終了操作をすべきです。