2.4 特権ユーザーとセキュリティ

UNIX には 「特権ユーザー」,「スーパーユーザー」等と呼ばれるシステム管理のため の特別なユーザーが存在します。 通常,特権ユーザーのユーザー名は root です。 ユーザー root にはシステムに対するすべての操作が許されていて, root はシステム内のどんなファイルでも見ることができるし, 変更したり削除することもできます22

システムが動作するのに必要な諸設定は, 一般のユーザーが書き込めないファイルに保存されているので, 管理者がシステムの設定変更を行うためには root として作業する必要があります。 一方で,root が操作を誤ればシステムが壊れることもあり得ます23

さて,もし root のパスワードが悪意ある人に知られてしまったら, どういう事が起こり得るか,想像できますね。

root を含むユーザーのログイン用パスワードは, 暗号化されてパスワードファイルに格納されています。 したがって,パスワードファイルの中を見ることができたとしても, 暗号を解読できなければパスワードはわかりませんが24, パスワードファイルを誰かに持ち出されれば, root のパスワードを解読される危険性は高まります。

もし,システムの利用者のパスワードが漏れると, そのパスワードを使ってシステムに侵入することが可能になります。 本学のシステムはインターネットに接続していますから, 世界中からネットワーク経由で, 例えば ssh を使って本学のシステムに遠隔ログインすることができますし 25, ファイルを持ち出すことも可能になります。 すなわち皆さんのパスワードが漏ることによって被害を被るのは, 皆さん自身だけとは限らないということです。

パスワードの取り扱いには注意しましょう。 また,安易なパスワードを設定しないでください。