2.1 ルートディレクトリとディレクトリの階層構造

以下を順に実行してみましょう。
  1. ホームディレクトリがカレントディレクトリになっていることを確実にするために, 引数無しで cd コマンドを実行してください。

  2. カレントディレクトリ名を表示する pwd というコマンドを実行してみましょう。

    / で区切られた文字列の一番右側に, 自分のユーザー名 (ログイン名) が表示されていれば, カレントディレクトリはホームディレクトリです (ホームディレクトリにいます)。 pwd の出力の正確な意味は第 2.2.1 節で説明します。

  3. ls -aF を実行して, ホームディレクトリに存在する全てのファイルとディレクトリを, ファイルの種類を表す印つきで表示しましょう。 表示が画面に納まらない場合,おまじないとして
    ls -aF | head
    を実行してください。.. (親ディレクトリ) がありますね。 みなさんのホームディレクトリには, さらに上位のディレクトリが存在するのです。

  4. cd .. を実行して カレントディレクトリを上位のディレクトリに変更し, pwdls -aF の結果を観察しましょう。 この操作を繰り返してください。

    pwd の出力が / になったら, cd .. を実行しても,ls や pwd の出力は変わりません。 行き止まりです。

UNIX では, ディレクトリやファイルから成る階層構造(木構造)が, システムにただ一つ存在します。 その階層構造に唯一存在する最上位 (根; root) のディレクトリをルートディレクトリ (root directory) といい 1, 記号 / (スラッシュ) で表します 2

図 1 は UNIX システムにおけるディレクトリやファイルの階層構造の一例です。 ユーザーのホームディレクトリも,すべてこの階層構造の中にあります。 この図では, ユーザー OOOO と XXXX のホームディレクトリを,各々, \fbox{OOOO}\fbox{XXXX} で描いています。

図 1: UNIX システムにおけるディレクトリ/ファイルの階層構造例
\includegraphics{10_dir_hier.eps}