UNIX で利用できるファイルやディレクトリは,必ずいずれかのディレクトリ内
にあります2。
これまでに幾つかのファイルを作成しましたが,それらはユーザー毎に予め用意
されたディレクトリ内に作成していたのです。そのディレクトリをユーザーの
ホームディレクトリ (home directory) と呼びます。ホームディレクト
リを記号 ~
で表すことがあります。
コマンド操作でファイルやディレクトリを扱うときに必要な概念として, カレントディレクトリ (current directory; current は「現在の」,「現行 の」という意味) 3 があります。カレントディレクトリは文 字通り,現在使っているディレクトリを意味する用語です。
例えば,ls を引数無しで実行して表示されるのは,カレントディレクトリに存 在するファイルの名前です。また,cp や mkdir 等のコマンドに ファイル名やディレクトリ名を与えると,コマンドが処理するのは カレントディレクトリ内のファイルやディレクトリとなります4 。
ユーザーがログインしたときのカレントディレクトリはホームディレクトリです。 これまで,ファイルやディレクトリがホームディレクトリに作成されたのはその ためです。