8. 図表入り文書の作成
1. 今回の目的
- レポート等の報告文を作るために,表やグラフを Excel で適切に作成し,Word の文書に貼り付けて活用できる。(4-5)
2. 表とグラフをワードプロセッサで利用する
2.1. 準備: Excel でグラフを作る
jinkou.xlsx を開き,下に示す各市の一世帯あたりの平均人数のグラフを作ってください。 作ったらワークシートを上書き保存しましょう。 なお,グラフ(図)の表題(キャプション)は Word 側で記入するので,グラフタイトルは付けないでください。
グラフ作成の方法は例えば以下のとおりです。
- 人口などの表が A 市, B 市, C 市の順に並んでいなければ,行を並べ替える。
- 名称列(A列)と一世帯当たりの平均人数列(D列)を選択する。
- 離れた列を追加で選択するには Ctrl キーを押しながらドラッグ
- 合計と平均は選択範囲に含めない
- 「挿入」タブから「グラフ」の「縦棒」ボタンを押して,「2-D 縦棒」の中の「集合縦棒」をクリックする。
- グラフタイトルを削除する。
- グラフエリアの右にある「+(グラフ要素)」から「グラフタイトル」のチェックを外す
- 軸ラベルを付ける。
- グラフエリアの右にある「+(グラフ要素)」から「軸ラベル」→「第一縦軸」にチェック
- クラフ内の「軸ラベル」を右クリックして「テキストの編集」
- 軸の数値の表示形式を調整する。
- 縦軸を選択(クリック)して右クリック
- 「軸の書式設定」から軸の目盛や表示形式等を調整
2.2. Excel の表やグラフを他のソフトウェアで利用する
Excel で作成した表やグラフは,コピーして他のアプリケーションに貼り付けて利用することができます。 ここでは,レポート等の報告文を作ることを想定して,Word に対する貼り付けを行います。
まず,貼り付け先となる Word を起動しておきましょう。 なお,以降で作成する文書は レポート形式の文書例 に示しているものです。
2.2.1. 表を Word に貼り付ける
jinkou.xlsx に作成してある表の一部を, 次の手順で Word に貼り付けます。
- 貼りつける表を範囲指定する。
- 表の表題(キャプション)は範囲に含めない。
- 今回,貼り付ける範囲は名称,人口,世帯数(A3 から C8 まで)とする。
- 範囲指定した表を Ctrl-c などでコピーする。
- (カーソルを Word 文書の適当な場所に置いて)Word で「貼り付け」の操作を行う。
- 今回は「元の書式を保持」で貼り付ける。
- Ctrl-v で貼り付けた場合は,貼り付けた表の右側に表示される「貼り付けのオプション」ボタンをクリックして,一番左のボタン(「元の書式を保持」)を押す。
- 右クリック(コンテキストメニュー)操作で貼り付ける場合は,「貼り付けのオプション」の一番左の「元の書式を保持」を選ぶ。
- うまく操作できなかったときは,焦らずに「元に戻す (Ctrl-z)」
- 今回は「元の書式を保持」で貼り付ける。
- 貼り付けた表の位置や行のサイズを調整する。
- 表をクリックしたときに現れる,表の左上の「左右上下矢印」で表全体を動かせる
- 列の境界をクリックして列幅調整
2.2.2. グラフを Word に貼り付ける
準備: Excel でグラフを作るで jinkou.xlsx に作成したグラフを, 次の手順で Word に貼り付けます。
- Excel ワークシート上で,コピーするグラフをクリックして選択する。
- Ctrl-c などでグラフをコピーする。
- Word にグラフを貼り付ける。
- Word のカーソル位置に貼り付けられるので,カーソルを適当な場所に移動する。
- 今回は,先に貼り付けた表の数行下にカーソルを移動し,そこにグラフを貼り付ける。
- 貼り付けの形式として,今回は「貼り付け先のテーマを使用しブックを埋め込む」を使う。
- Ctrl-v で貼り付けた場合は,貼り付けた表の右側に表示される「貼り付けのオプション」ボタンをクリックして,一番左のボタンを押す。
- 右クリックで貼り付ける場合は,「貼り付けのオプション」の一番左を選ぶ。
- うまく操作できなかったときには,焦らずに「元に戻す (Ctrl-z)」をしてからやり直す。
- Word のカーソル位置に貼り付けられるので,カーソルを適当な場所に移動する。
2.3. 貼り付けた表やグラフにタイトル(キャプション)や出典を付ける
レポートや論文で表やグラフを用いる際には,それらの内容を適切に表したタイトル(キャプション)をつけます。 また,表やグラフのデータが他から引用したものならば,出典を記載する必要があります。
2.3.1. 図(グラフ)のキャプション
レポートや論文ではグラフを「図」として扱います。 まず,前節で Word に貼り付けた図(グラフ)にキャプションを付けましょう。
- 図のキャプションは,通常,図の下に付けます。
- 図や表のキャプションには,通常,通し番号を付けます。
- Word の「図表番号」機能を用いると番号付けを自動的に行えます。
では,次の手順に従ってキャプションを付けてください。
- 貼り付けたグラフの外縁をクリックしてグラフ全体(グラフエリア)を選択する。
- 右クリックして「図表番号の挿入…」をクリックする。
- 「ラベル」欄が「図」になっていれば,そのまま OK
- 「ラベル」欄が「図」になっておらず,項目に「図」があれば,それを選んで OK
- 「ラベル」欄が「図」になっておらず,項目に「図」がなければ,「ラベル名」ボタンを押して「図」と入力してから,「ラベル」欄を「図」にして OK
挿入された図の番号の右に,図のタイトルとして
一世帯当たりの平均人数
と打ち込む。
- 今回は,図とキャプションの両方をマウスで選択(ドラッグ)して中央寄せ(センタリング)する。
2.3.2. 表のキャプション
表のキャプション「3市の人口と世帯数」も図と同様の方法で付けます。 ただし,次の点が異なるので注意してください。
- 表のキャプションは,通常,表の上です。
- 図表番号を挿入するには,表をクリックすると左上に現れる「上下左右矢印」を右クリックします。
- 表の位置を中央寄せする際も「上下左右矢印」をクリックして中央寄せボタンを押します。
2.3.3. 出典
他の人や組織による調査結果等を表や図にして利用する場合には,キャプションの下などに出典を示してください。 なお,出典やキャプションは,文書上で位置を変え易いように,「挿入」タブから作成可能な「テキストボックス」に入れることもできます。 テキストボックスを右クリックして「図形の書式設定」メニューを選択すれば,テキストボックスの枠を消すなどの設定変更を行えます。
参考文献リストがある文章であれば,文献の番号を記載することによって出典を示すこともできます。
3. レポート形式の文書の作成
3.1. レポート形式の文書例
以上の作業の後で,図表に関する簡単な説明文と文書のタイトル加えた例を次に示します。 文章における図表は読者に何かを主張するために含めるものです。 したがって,レポート等に図表を含めたら,そこから何が言えるのかを,文章で書く必要があります。
この文書のタイトルには,Word の「ホーム」タブの「スタイル」から「表題」を適用しました。 他の箇所は「標準」スタイルです。
このように「スタイル」を適用して文書を作成すると, 「デザイン」タブから文書の内容は変えずに見た目だけを簡単に変えることや, 目次の自動作成もできます。
文章を入力したら, ファイル jinko_report.docx に保存してください。
3.2. 章を持つ複数ページの文書
jinko_report.docx を更に サンプル文書 (このハイパーリンクの先の文書) のようにしましょう。
サンプル文書の 章の見出しには「見出し1」スタイルを使ってください。
複数ページの文書なので,ページ番号も挿入しましょう。
3.2.1. ページ番号
ページ下部に自動的にページ番号を入れるには
「挿入」タブ → (ヘッダーとフッター内の)「ページ番号」ボタン
から「ページの下部」を選びます。
文書の本文編集に戻るには, 「ヘッダーとフッターを閉じる」ボタンを押します。
3.2.2. 改ページ
「挿入」タブ → ページ区切り
3.2.3. スタイルからの目次の自動生成
「参考資料」タブ → 目次
目次の表示形式などを変更したければ,
「参考資料」タブ → 目次 -> ユーザー設定の目次
の「オプション」や「変更」ボタンから可能です。
本文の変更を目次に反映させるには「目次の更新」を行います。