表計算 (3): 図表入り文章の作成

目次

1 今回の目的

  • レポート等の報告文を作るために,Excel で作成した表やグラフを Word の文書に貼り付けて利用する方法を学ぶ。(4-5)

2 表とグラフをワードプロセッサで利用する

2.1 準備: Excel でグラフを作る

jinkou.xslx を開き,以下の手順で各市の一世帯あたりの平均人数のグラフを作ってください。 作ったらワークシートを上書き保存しましょう。 なお,グラフ(図)の表題(キャプション)は Word 側で記入するので,グラフタイトルは付けないでください。

./jinko_setai_ninzu.png

  1. 名称列(A列)と一世帯当たりの平均人数列(D列)を選択する。
    • 離れた列を追加で選択するには Ctrl キーを押しながらドラッグ
    • 合計と平均は選択範囲に含めない
  2. 「挿入」タブから「グラフ」の「縦棒」ボタンを押して,「2-D 縦棒」の中の「集合縦棒」をクリックする。
  3. グラフタイトルを削除する。
    • グラフ内のグラフタイトル「一世帯当たりの平均人数(人)」を右クリックして「削除」
  4. 軸ラベルを付ける。
    • グラフエリアの右にある「+(グラフ要素)」から「軸ラベル」→「第一縦軸」にチェック
    • クラフ内の「軸ラベル」を右クリックして「テキストの編集」

2.2 Excel の表やグラフを他のソフトウェアで利用する

Excel で作成した表やグラフは,コピーして他のアプリケーションに貼り付けて利用することができます。 ここでは,レポート等の報告文を作ることを前提として,Word に対する貼り付けを行います。 まず,貼り付け先となる Word を起動しておきましょう。

2.2.1 表を Word に貼り付ける

jinkou.xslx に作成してある表の一部を, 次の手順で Word に貼り付けます。

  1. 貼りつける表を範囲指定する。
    • 表の表題(キャプション)は範囲に含めない。
    • 今回,貼り付ける範囲は名称,人口,世帯数(A3 から C8 まで)とする。
  2. 範囲指定した表を Ctrl-c などでコピーする。
  3. (カーソルを Word 文書の適当な場所に置いて)表を Word に貼り付ける1
    • 今回は「元の書式を保持」で貼り付ける。
      • Ctrl-v で貼り付けた場合は,貼り付けた表の右側に表示される「貼り付けのオプション」ボタンをクリックして,一番左のボタン(「元の書式を保持」)を押す。
      • 右クリックで貼り付ける場合は,「貼り付けのオプション」の一番左の「元の書式を保持」を選ぶ。
    • うまく操作できなかったときは,焦らずに「元に戻す (Ctrl-z)」
  4. 貼り付けた表の位置や行のサイズを調整する。
    • 表をクリックしたときに現れる,表の左上の「左右上下矢印」で表全体を動かせる
    • 列の境界をクリックして列幅調整

2.2.2 グラフを Word に貼り付ける

準備: Excel でグラフを作るで jinkou.xslx に作成したグラフを, 次の手順で Word に貼り付けます。

  1. Excel ワークシート上で,コピーするグラフをクリックして選択する。
  2. Ctrl-c などでグラフをコピーする。
  3. Word にグラフを貼り付ける。
    1. Word のカーソル位置に貼り付けられるので,カーソルを適当な場所に移動する。
      • 今回は,先に貼り付けた表の数行下にカーソルを移動し,そこにグラフを貼り付ける。
    2. 貼り付けの形式として,今回は「貼り付け先のテーマを使用しブックを埋め込む」を使う。
      • Ctrl-v で貼り付けた場合は,貼り付けた表の右側に表示される「貼り付けのオプション」ボタンをクリックして,一番左のボタンを押す。
      • 右クリックで貼り付ける場合は,「貼り付けのオプション」の一番左を選ぶ。
    3. うまく操作できなかったときには,焦らずに「元に戻す (Ctrl-z)」をしてからやり直す。

2.3 貼り付けた表やグラフにタイトル(キャプション)や出典を付ける

レポートや論文で表やグラフを用いる際には,それらの内容を適切に表したタイトル(キャプション)をつけます。 また,表やグラフのデータが他から引用したものならば,出典を記載する必要があります。

2.3.1 図(グラフ)のキャプション

レポートや論文ではグラフを「図」として扱います。 まず,前節で Word に貼り付けた図(グラフ)にキャプションを付けましょう。

  • 図のキャプションは,通常,図の下に付けます。
  • 図や表のキャプションには,通常,通し番号をつけます。
  • Word の「図表番号」機能を用いると番号付けを自動的に行えます。

次の手順に従ってキャプションを付けてください。

  1. 貼り付けたグラフの外側をクリックしてグラフ全体(グラフエリア)を選択する。
  2. 右クリックして「図表番号の挿入…」をクリックし,「ラベル」欄が図になっていることを確認して OK を押す。
  3. 挿入された図の番号の右に,図のタイトルとして

    一世帯当たりの平均人数

    と打ち込む。

  4. 今回は,図とキャプションの両方をマウスで選択して中央寄せ(センタリング)する。

2.3.2 表のキャプション

表のキャプションも図と同様の方法で付けます。 ただし,次の点が異なるので注意してください。

  • 表のキャプションは,通常,表の上です。
  • 図表番号を挿入するには,表をクリックすると左上に現れる「上下左右矢印」を右クリックします。
  • 表の位置を中央寄せする際も「上下左右矢印」をクリックして中央寄せボタンを押します。

2.3.3

以上の作業の後で,図表に関する簡単な説明文と文書のタイトル加えた例を次に示します2。 レポート等に図表を含めたら,必ずその説明を文章で書く必要があります。

./jinko_report.png

この文書のタイトル「A市・B市・C市の人口と世帯数について」には,Word の「ホーム」タブの「スタイル」から「表題」を適用しました。 他の箇所は「標準」スタイルです。 このように「スタイル」を適用して文書を作成すると,「デザイン」タブを使って,文書の内容は変えずに見た目だけを簡単に変えることもできます。

上記の例を参考に文章を作り打ち込んで,ファイル jinko_report.docx に保存してください。

2.3.4 出典

他の人や組織による調査結果等を表や図にして利用する場合には,キャプションの下などに出典を示してください。 なお,出典やキャプションは,文書上で位置を変え易いように,「挿入」タブから作成可能な「テキストボックス」に入れることもできます。 テキストボックスを右クリックして「図形の書式設定」メニューを選択すれば,テキストボックスの枠を消すなどの設定変更を行えます。

3 練習

厚生労働省の厚生労働統計に毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)というものがあり,その統計表一覧には,2010 年から 2014 年の年末賞与を事業所規模および産業別に調べたデータが含まれています。 この中から,規模が 500 人以上の事業所についてのみ,産業や年によって年末賞与がどのように異なるかを調べて,先の例のように図や表の入った文章(簡潔なレポート)を作成しましょう。 扱う産業は,記号 D から R で表されている大分類だけとします。 グラフを含んだ文章は shouyo.docx に保存してください。

次のとおりに行うのがいいでしょう。

  1. 2010 年から 2014 年の年末賞与を事業所規模および産業別に調べたデータの 2010 年のページから,「事業所規模 500 人以上の結果」の Excel データをファイルに保存する。 同様に,2011年から2014年のデータも取得する。
  2. 各年度のデータを次の図のように一つのワークシートにまとめる。そのために Excel を新しく起動し,各年度の Excel ファイルから必要部分をコピーして貼り付ける。

    ./shukei.png

  3. 表を元に適当なグラフを作ってみて,データの様子を観察する。 グラフの種類によっては,グラフを右クリックして「データの選択」から「行/列の入れ替え」の操作をしてみるとよい。
  4. 文章にどのようなことを記述するかを考える。グラフが見にくければ,不要な産業をグラフ表示しない(ワークシートから削除など)のもよい。
  5. Word を起動して必要な図表の掲載と文章の記述を行う。

4 ファイル提出

jinko_report.docx と shouyo.docx を電子メールの添付ファイルで提出してください。

提出には,必ず生涯メールシステムを使い,件名を johokiki11 としてください。 宛先は別途指示します。提出期限は 2015 年 7 月 1 日(水)午後 3 時です。

提出に成功すれば,自動的に返信が届きますので,必ず返信を確認してください。

脚注:

1 Excel や Word のバージョンによっては,表の罫線がうまく複写されないことがあるようです。 その場合には,一度,Excel の罫線を消去するなどの操作を試してください。

2 文章の内容は怪しいですが,書き方は参考にしてください。

日付: 2015-06-23T21:45+0900

著者: 今野 英明

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