3. パスワード変更と電子メールの仕組み・利用法
2011/04/21

1.今回の目的

2.授業の内容

  1. パスワードを変更する。
  2. 電子メールについての基本的な解説を行う。
  3. 電子メールを送り,受け取る際に覚えておくべきことを解説する。
  4. 実際に電子メールを送ってみる,読んでみる。

3.パスワードの変更

パスワード変更に際しての注意

最初にパスワードの変更を行います。前回テキストの第6章「パスワードを考えよう」に記されている,下記の注意を満たすパスワードは考えられましたか。

安易なパスワードに変更するくらいなら,初期パスワードのままの方が安全です。パスワード変更は上記の注意を満たすパスワードで行ってください。

函館校教育用システムアカウントのパスワード変更

皆さんが本校で使うパスワードは,当面,二つあります。 一つ目は教室のコンピュータでログオンするときに使用している,函館校独自の「函館校教育用システムアカウント」のパスワードです。 二つ目は履修登録等で使っている全学で発行している「大学教育情報システム及び生涯メールシステムアカウント」のパスワードです。 これらのパスワードは少しでも異なっていることが望ましいです。

ではまず,函館校独自のパスワードを変更します。 方法は「北海道教育大学函館校情報システム」のページや,北海道教育大学教育学部函館校教育用情報システム利用登録通知書に記載されていますので,それを参照してパスワード変更してください。

注意:変更したパスワードはコンピュータの管理者であっても調べることはできませんので,パスワードを忘れてしまうと,再設定のための申請手続きが必要になります。

パスワード変更が終わったら,一度,ログオフして,新しいパスワードでログオンしてみましょう。

大学教育情報システム及び生涯メールアカウントのパスワード変更

まず,大学教育情報システムに,現在のパスワードでログインします。 学内からのアクセスの場合,Web ブラウザで,本学(全キャンパス)の公式 Web サイト(http://www.hokkyodai.ac.jp/)から「在学生の方」--->「大学教育情報システム」とたどればよいのでしたね。

ログインができたら,「個人情報」メニューの中の「パスワード変更」から,パスワード変更操作を行ってください。 この方法については,冊子で配付された「大学教育情報システム使用マニュアル」または大学教育情報システムにログインした画面左下の「お気に入り」内の「操作マニュアル」に記述されています。

4.電子メール:ネットワーク上でのメッセージ交換

電子メールは WWW(World Wide Web)と並んで,インターネットに関連してよく利用されるもののひとつです。 電子メールをひとことで説明すると「(インターネットなどの)ネットワーク上において,複数の利用者同士でメッセージを交換するサービス」となります。 この電子メールの基本的な解説を最初に行います.

電子メールを「送る」こと,「読む」こと

ここでは,電子メールを「送る」ことと「読む」ことについて, メール送受信概念図(学内からのみ閲覧可)も参考にしつつ,あくまで一般的な説明をします。

電子メールを送ったり読んだりするためには,電子メールプログラムと呼ばれるソフトウェアを利用することが多いです。 電子メールプログラムは,正規には MUA (Mail User Agent) と呼ばれます。簡略化してメーラーと呼ぶこともあります。i

電子メールを「送る」

電子メールプログラムを利用し,電子メールを送った場合,そのメッセージは,いくつかのメールサーバを中継して送られ,相手が利用しているメールサーバによって受け取られた後,それをメールボックスに保存します。

具体的にいうと,メッセージはまず,電子メールプログラムが指定したメールサーバへと送られます。メールサーバでは,メッセージのあて先を調べ,そのメールサーバの利用者にあてたものである場合,利用者のメールボックスにメッセージを保存します。 メールサーバでは,MTA (Mail Transfer Agent) と呼ばれる役割のプログラムが,その処理を行っています。

もし,あて先がそのメールサーバの利用者でない場合,別のメールサーバへメッセージを転送します。 転送先のメールサーバでも,同様にあて先を調べることが行われ,最終的にあて先となっているメールサーバに転送され,あて先の利用者のメールボックスに保存されます。 このような仕組みを実現しているメールサーバをSMTPサーバと呼びます。

電子メールプログラムからメールサーバへ電子メールを送るとき,また,あるメールサーバから別のメールサーバへと電子メールを転送するときには,SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) という「約束ごと」にしたがって行われています。

この「約束ごと」をコンピュータ・ネットワークの世界ではプロトコル(protocol)と呼びます。つまり SMTP は電子メールをサーバ間でやりとりするプロトコルです。

このように,電子メールはあて先に(送り相手が利用しているコンピュータに)直接送られるのではなく,相手が利用しているメールサーバ上のメールボックスに一度保存されます。またメールボックスに保存できるメールの量には限りがあります。それを超えた場合,メールが受信できないなどの問題が発生します。

電子メールを「読む」

自分あてに送られてきた電子メールは,メールサーバ内のメールボックスに保管されています。 では,電子メールプログラムを利用し,自分あての電子メールのメッセージをどのようにして「読む」ことができるのでしょう。

その仕組みを実現するためのプロトコルとして, POP(Post Office Protocol)IMAP(Internet Message Access Protocol)があり,この仕組みを動かしているメールサーバをPOPサーバIMAPサーバと呼びます。これらを受信サーバと呼ぶこともあります。

受信サーバ (POP/IMAP サーバ) では,電子メールプログラムから要求があったとき,まず.サーバに接続を許された利用者であるかどうかを確認します。この確認をユーザ認証と呼び,一般にユーザ名とパスワードの組み合わせが用いられます。

ユーザ認証に成功すると,受信サーバは電子メールプログラムの要求に応じ,利用者のメールボックスに届いたメッセージを取り出し,電子メールプログラムへと渡します。

以上のことから,電子メールプログラムを利用して電子メールを送るためには,そのためのメールサーバを指定し,また,読むためには,自分のメールボックスからメールを取り出す受信サーバを指定する必要があることがわかります。

Web メール

ここまでは電子メールプログラム (MUA) を使ってメールを読み書きする仕組みを説明してきました。

電子メールプログラムは個々のコンピュータにインストールされているものですが,電子メールプログラムに相当する機能を Web サイトで提供している場合があります。 この機能を Web メールと呼びます。

Web メールでは,送信 (SMTP) サーバや受信 (POP/IMAP) サーバの設定が,Web サイトで予め行われているため,Web メールを使った電子メールの送受信は,Web ブラウザで Web メールのサイトにアクセスし,一般にはユーザー名とパスワードを入力するだけで行えます。

本学でも,今年度より「生涯メールシステム」と名付けられた Web メールシステムが導入され,学生はこのシステムを利用することとなりました。生涯メールシステムは大学教育情報システムから利用でき,そのアカウント(ユーザー名とパスワード)は大学教育情報システムと統合されているため,ユーザー認証を意識せずに電子メールの送受信ができるようになっています。

メールアドレス

手紙やはがきを送る際に,送り先の住所,氏名を書かなくては届かないように,電子メールを送る際にも「住所」と「氏名」の役割を果たすものが必要です。これがメールアドレスです。

メールアドレスは次のような「@」や「.」を含んだ文字の並びになっています。

c20000aa@stu.hokkyodai.ac.jp

「@」の後ろ側の部分は,そのメールアドレスにおける「住所」の役割を果たしています。この部分によって,メールの送信先となるメールサーバが決まります。ii

「@」の前の部分(c20000aa)は,そのメールアドレスの利用者に割り当てられた利用者名(ユーザ名)であり,手紙の宛先における「氏名」に相当します。

5.電子メールを利用する

Web ブラウザ (Firefox) から大学教育情報システムにログインして,「お気に入り」の中の「生涯メールシステム」をクリックすると,ブラウザの新しいタブに生涯メールシステムの画面が表示されます。

「お気に入り」の中の「生涯メール利用マニュアル」をじっくり読みながら,電子メールの操作を実際に行ってみましょう。 ただし,マニュアル 6 ページの「連絡先からメールを作成する」や 8 ページの「メールを転送する」は略して構いません。 この授業では,9 ページまで行えれば十分です。 メールの送信先等は,授業担当者の指示に従ってください。

送り先を間違えた場合

メールを送る際に,送り先のメールアドレスを入力ミスした場合,どうなるのでしょうか。もちろん正しいメールアドレスが入力されていないので相手には届かないのですが,メールサーバ(において処理を行っているMTA)が,そのことを知らせてくれることがあります。 iii

メールサーバ(MTA)から送信されたメッセージの例」(学内からのみ閲覧可)にそのようなメッセージの例がありますので,参考にしてください。

6.電子メールの利用における注意と補足

メッセージに名前を記す,署名をつける

メッセージに名前を記そう

電子メールのメッセージには,あて先のメールアドレスやサブジェクト(件名)を記すことはもちろんですが,メッセージの本文においても,差出人の名前を書いておくと,受け手からは,誰から送られてきたのか,すぐにわかるので推奨します。

メッセージに署名をつける

電子メールでは,送り手を示すために,メッセージの最後に「署名」をつけておくことがあります。以下に署名の例を挙げます。

 -- 
  函館 太郎
  北海道教育大学函館校
  人間地域科学課程・情報科学専攻

上記のものは,あくまで例です。署名をつける際には,どのような相手に,どのような内容,文脈においてメッセージを送るのかを考えたうえで,署名に記す項目を考えましょう。 署名の「長さ」もそれによって異なりますが,あまり行数の多いものは避けるほうが良いでしょう。

メッセージにファイルを添付する

ファイルを添付することの意味

電子メールにて交換されるメッセージはすべてテキスト,つまり文字情報となっています。

しかし,画像ファイルやワープロの文書ファイルといったテキスト(文字情報)でないものを送ることができます。この場合,電子メールのメッセージにそれらのファイルを「添付」する形で送ります。 「電子メールの中身」(学内からのみ閲覧可)に例示されているように,添付されたファイルは,その内容がすべて文字に変換されて,メールの一部として送信されます。

電子メールのメッセージにファイルを添付して送ることができます。ただし,どんなファイルでも添付して送って良いわけではありません。

ファイルを添付して送るのは,文章(テキスト)だけでは伝わらない,または,伝えにくい情報を伝えるたい場合に行うべきでしょう。

例えば,図やグラフを送りたい場合,これを文章だけで表現するのは難しいでしょうし,場合によって写真などの画像を送りたい場合もあるでしょう。逆に,数行の文章のみならば,ワープロの文書ファイルにして送る必要はないわけです。

つまり,送り手には,ファイルを添付して送る前に,どのような情報を,どういった文脈で受け手に伝えたいのか,をよく考えて判断することが必要となります。iv

なお,電子メールのメッセージにファイルを添付する方法について,今回の授業で取りあげませんので,電子メールプログラムの「ヘルプ」などを参照してください。

添付するファイルの大きさに注意する

ファイルを添付して送る場合,その大きさに注意します。

その理由は,メッセージの受け手が利用するコンピュータやネットワークの環境がどのようなものなか,わからないことがよくあるからです。例えば,受け手が 回線容量の小さいネットワークを利用していれば,ファイルを添付して大きくなったメッセージを受け取るには時間がかかるでしょう。

一般的には数百KB(キロバイト)以上のファイルを送りたい場合は,持ち運び可能な記録媒体に保存したうえで,相手に渡すなどの方法をとります。

コンピュータ・ウィルスとの関連で注意しておくこと

注意したいのは,この「添付ファイル」の仕組みが悪用される場合があることです。コンピュータ・ウイルスの中で電子メールを通じて拡がる種類のものは,この仕組みを利用しています。

さらに,コンピュータ・ウィルスの中には送り主を騙り,ウイルスを添付ファイルとして送ってくる種類のものが多くあります。そのため添付ファイルの送り主 が信頼できる相手であっても,その人がウイルスに感染したコンピュータを利用していて,気づかない間にウイルスを送っている可能性があるのです。

そのため,送り主が信用できる相手であっても,電子メールのメッセージにファイルが添付されている場合,ひとまずその添付ファイルを開く前に送り主に確認することをお勧めします。

また,見知らぬ相手から送られてきた電子メールにファイルが添付されていた場合,それがウイルスである可能性が高いので,その添付ファイルを開いてはいけません。 もし.送られてきた電子メールの添付ファイルがウイルスかもしれないと迷って判断できない場合,情報機器の管理者に相談することを勧めます。

メールの送り手としては,ウイルスが添付されたメールと相手に間違われないためにも,ファイルをメッセージに添付して送りたい場合は,あらかじめ知らせておくなどの方法をとるようにしましょう。

メッセージに使えない「文字」がある

電子メールのメッセージに使ってはいけない「文字」があります。

電子メールに関する技術的な取り決めにおいて,メッセージとして使えない「文字」があります。いわゆる「半角カナ」とよばれている文字v や「丸数字」「(株)」といった記号です。vi

電子メールのメッセージを相手がすぐに読むとは限らない

電子メールは,「仕組み」のところで説明したように,直接相手に届くのではなく,いったん,相手が利用しているメールボックスに届きます。ですので,相手が電子メールプログラムを用いて,メールボックスを確認しないと読まれません。

さらに,相手に読まれたとしても,そのことを判断する方法は通常ないので,受け取った側は,読んだ旨の返事を出す方が良いでしょう。もちろん,送り手が返事を求めていない場合もあるので,電子メールの内容を読んだうえで判断することですが。

脚注

  1. この種のソフトウェアには様々なものがありますが,教室のコンピュータには Mozilla Thunderbird という電子メールプログラムがインストールされています。
  2. ここにある「ac」や「jp」にも意味があるのですが,ここでは詳しく解説しません.ここにメールサーバの名前が明示されることもあります.
  3. メールアドレスの入力ミス以外でも,メールサーバにてメールの送信に問題が起こった場合,何らかのメッセージが送られてくることがあります.
  4. 当然のことですが,添付するファイルを開くことのできるアプリケーションが,受け手においても利用可能であるかどうか,あらかじめ確認する必要があります.
  5. 電子メールのメッセージで利用可能な文字は,「ISO-2022-JP」という文字コード表に含まれているものです.しかし,この文字コード表では,いわゆる「半角カナ」を扱っていません.したがって,「半角カナ」をメッセージに利用することはできないのです.
  6. 「丸数字」や「(株)」といった記号は「機種依存文字」とよばれ,特定のコンピュータ,OSでしか扱えません.したがって,送られてきたメッセージが「文字化け」して読めないことがあります.例えば,Windowsでは読める文字でもMacOSでは読めなくなる,ということが起こりえます.