表計算 (2): 項目の並べ替えと表・グラフの作成

目次

1 前回の復習問題

  1. 前回の資料で作成した seiseki.xlsx を Excel で開いてください。 このデータが表しているのは生徒の試験成績です。

    岡田さんの3回目の試験成績が間違いでした。 80 ではなく,正しくは 70 です。 池田さんの 2 回目も 100 に訂正してください。

    値を修正すると,合計や平均などが自動的に再計算されることを確認してください。 その後でワークシートをファイルに上書き保存してください。

  2. seiseki.xlsx のセル A1 から B14 の範囲に,数値が入っているセルはいくつありますか。 セル A16 に count 関数を入力して求めてください。 また,セル B16 で counta 関数を用いて同様のことを行い,正しい結果が得られることを確認してください。
  3. H 列に,合計に関する各生徒の順位を入れましょう。 順位を求めるには rank 関数を使います。 使い方は次のとおりです。

    =rank(順位を知りたいセル,順位を求めるのに使う全数値の範囲)

    セル H1 に「順位」と入力し,伊藤さんの順位を求める式を H2 に入力してください。 それをコピーして,全員の順位を求めてください。 正しく求めることができたら,ファイルに上書き保存してください。

2 並べ替え(ソート)

表計算ソフトウェアでは,指定した範囲の行を,指定した列の値に基づきに並べ替えることができます。 並べ替えに使う列をキーと言います。

複数の列をキーにすることができます。 仮にキーを二つ指定した場合,第一のキーが同じ値になっている行があれば,その行がさらに第二のキーで並べ替えられます。

2.1 方法

基本となる方法は次のとおりです。

  1. 並べ替えを行う範囲を選択
    • 行番号の書かれた場所をクリックやドラッグすると,その行全体を選択可能
    • 並べ替える行の直前に列名(データの見出し)がある場合,それも選択範囲に含める方が次の操作が容易
  2. 「データ」タブ → 「並べ替え」ボタンを押し,「並べ替え」ダイアログを表示
  3. 1. で行った範囲選択の仕方に合わせて,「先頭行をデータの見出しとして使用する」のチェックの有無を選択
  4. 「最優先されるキー」などを選択
  5. 複数のキーを利用する場合は「レベルの追加」ボタンを押下
  6. 全ての設定が終わったら「OK」

2.2 練習

seiseki.xlsx に対して次の操作をしてください。

  1. 合計点をキーとして点数の高い順(降順)に全生徒を並べ替えてください。
  2. 「元に戻す (ctrl-z)」操作で元の状態に戻してください。
  3. 合計点を第一のキーとして降順に,3回目を第二のキーとして降順に並べ替えてください。
  4. 上書き保存してください。

3 作表

ここではワークシート上の表を見やすく整えてみます。 前回の資料で作成した jinkou.xlsx を Excel で開いて次のようにします。

./jinko_table.png

そのために,以下の操作を行い,完成したら上書き保存してください。

3.1 行の挿入

  • 行番号を右クリックして行を選択 → 「挿入」を選択
  • 複数の行を一度に挿入するには,複数の行を選択してから「挿入」1

3.2 セルの書式設定

以下のいずれの操作についても,まず,書式設定を行いたいセル(の範囲)を選択して(アクティブにして)から,右クリック → 「セルの書式設定…」を選択して,セルの書式設定ダイアログを表示します。

3.2.1 表示形式の設定

  • 「表示形式」タブの「分類」の中から,指定したセルに入っているデータの種類を選択

上の表 1 では,小数を小数点以下第二位まで表示(第三位で四捨五入)するように表示変更しています。 このためには,「分類」から「数値」を選んで操作します。整数である人口や世帯も「数値」にします。

3.2.2 文字配置の設定

複数セルの結合
「配置」タブの「セルを結合する」をチェック(第 2 行に中央揃えで表のタイトル(キャプション)を記入するためにセルを結合します。)
中央揃え(センタリング)
「配置」タブの「横位置」を操作 2

3.2.3 罫線

  • 「罫線」タブの「線」の「スタイル」を選んでから,セル(の範囲)どこに罫線を引くかを,「罫線」欄で指定 3

4 グラフ

4.1 グラフの種類と用途

グラフを使うことによって,データを視覚化して,データが意味することをわかりやすく表現できます。 グラフの種類によって表現しやすいことが変わりますので,適切なグラフを用いることが大切です。

4.1.1 棒グラフ : 数量の視覚化

棒グラフ
項目毎の量を棒の長さで視覚化し,比べやすくする。
度数分布図(ヒストグラム)
階級毎の度数を棒グラフにしたものを,特に,度数分布図(ヒストグラム)という。
  • 例) 前回資料の 5. 練習 の 2. 函館市年齢別人口 (nenreibetsu.xlsx) を棒グラフにすれば,ヒストグラムになる。
積み上げ棒グラフ
各項目の全体量に加えて,その内訳を表示できる。

4.1.2 帯グラフ(100% 積み上げ棒グラフ)と円グラフ : 割合の視覚化

帯グラフ(100% 積み上げ棒グラフ)
全体における各項目の割合を表現する。複数のグラフを並べて割合の違いを比較できる。
円グラフ
円全体を 100% として,全体における各項目の割合を表現する。複数のグラフで割合を比較するには向かない。
  • 見やすい円グラフを作るには,割合の順に項目が並ぶように,予めデータをソートしてからグラフ化するとよい。

4.1.3 折れ線グラフ : 傾向の視覚化

折れ線グラフ
一つの量の変化に対して,他の量がどのように変化するかを表現する。典型的には,横軸を時間として,時間の経過に応じた変化の傾向を表現するために使う。
  • 個々のデータに着目してもらいたいときには,マーカー付き折れ線グラフを用いるとよい。

4.1.4 レーダーチャート : 項目間のバランスの視覚化

レーダーチャート
互いに関連の薄い複数の項目のバランスを表現する。
  • 利用例)科目毎の成績をレーダーチャートにして,得意・不得意科目を知る。
  • 利用例)食品の含有成分を表現する。

4.1.5 散布図 : 関連性や分布の視覚化

散布図
データを二つの数値の組で表せるとき,それらの間の関連性(相関)やデータの分布を表現できる。
  • 利用例) 身長と体重の分布やそれらの相関を見る。

4.2 グラフの作成

グラフにしたいデータ範囲を選択し,「挿入」タブの「グラフ」から適当なものを選ぶだけでグラフが作成されます。

4.2.1 例題 1

jinkou.xlsx から,人口と世帯数を表す棒グラフを作ります。

  1. 「名称」,「人口(人)」,「世帯数(数)」の 3 列のセルから,列タイトルを含んだ 4 行分を範囲指定
  2. 「挿入」タブから「グラフ」の「縦棒」ボタンを押して,「2-D 縦棒」の中の「集合縦棒」をクリック

この結果,次のグラフができあがったら,グラフを適当な場所にドラッグして移動し,ワークシートを上書き保存してください。

./jinko_setai_graph.png

4.2.2 例題 2

jinkou.xlsx から,各市が占める人口の割合を表す円グラフを作ります。

  1. 「名称」列のセルから,列タイトルを含んだ 4 行を範囲指定 (A3からA6)
  2. 「各市が占める人口の割合」列の 4 行を範囲に加えるために Ctrl キーを押しながら E3 から E6 をドラッグ 3
  3. 「挿入」タブから「グラフ」の「円またはドーナツグラフ」ボタンを押して,「2-D 円」の中の「円」をクリック
  4. 人口の多い順に円グラフ内の項目を並べるために,グラフを作る際に指定した範囲内の行(第3行から第5行)を,「各市の人口の割合」をキーにして逆順に並べ替え
  5. グラフを見やすくするために,「デザイン」タブの「クイックレイアウト」ボタンから適当なものを選択して,次のグラフになるように変更

    ./jinko_wariai_graph.png

グラフができあがったら,グラフを適当な場所にドラッグして移動し,ワークシートを上書き保存してください。

4.2.3 グラフの調整

例題 1 で行ったようなグラフの挿入操作だけで作成したグラフは,一般には,そのままは使えません。 必要な事項が入った見やすいグラフになるように調整する必要があります。 そのためには,

  1. グラフの領域(グラフエリア)を(クリックして)選択し,
  2. グラフの右にある + ボタンや「グラフツール」の「デザイン」タグ → 「グラフ要素を追加」ボタンからグラフを調整

したり,

  • グラフ内で調整したい箇所を選択して右クリックし,書式設定の項目などから設定を調整

する等をします。

グラフを作成する際には,次の点に注意しましょう。

  • 軸: 縦軸の値範囲はデータの値範囲から自動的に決められます。 複数のグラフを作るときなどは,縦軸の値範囲を揃える必要があります。 軸の部分を選択して右クリックし,「軸の書式設定」を選べば,軸の値範囲を指定できます。
  • 軸ラベル: 軸には(単位を含んだ)ラベルが必要です。特に折れ線グラフの場合,縦・横軸ともに単位のあるラベルは必須です。 グラフエリアを選択して,「グラフ要素」(+)等から,適当な軸ラベルをつけましょう。
  • グラフタイトル: グラフをワードプロセッサに貼り付けて利用する際には,グラフタイトルはグラフには付けない方がいいことが多いですが,グラフを単独で使う場合はグラフタイトルが必要です。 グラフタイトルはクリックすることで書き換えたり削除や移動ができますので,必要な調整を行いましよう。
  • 凡例(はんれい): グラフが何を表すかを示す凡例(例題1では人口(人),世帯数(世帯))を編集する必要があれば,元のセルの内容を変更する必要があります。

4.3 練習

seiseki.xlsx に次のグラフを作り,ワークシートを上書き保存してください。

./seiseki_graph.png

前回資料の内容を含めて,ここまでの作業がすべてできたら,seiseki.xlsx, jinkou.xlsx, nenreibetsu.xlsx を大学教育情報システムから提出してください。

脚注:

1 行の削除や列の挿入・削除も同様の操作で行えます。

2 ワークシート上部の「ホーム」タブの「配置」のボタンの利用も可

3 Windows では,一般に Ctrl キーを押しながらクリックやドラッグをすると,それらを追加選択できます。

日付: 2014-06-12T06:32+0900

著者: 今野 英明

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