1.1 どうして UNIX を学ぶの?

今回以降,この授業では UNIX (ユニックス) というオペレーティングシステム (OS) を利用して実習を行います1。 OS とは,コンピュータ全般を管理するソフトウェアのことです。 OS の役割を簡単に言えば, コンピュータが持つ入出力などの諸機能を,容易に使えるように 利用者やアプリケーション・ソフトウェアに提供することですが, 当面は「Windows ではないものが動いているコンピュータを使う」 とだけ考えていても差し支えありません。

さて, 情報科学専攻の専門科目には, 受講生が UNIX の基本的な使い方を知っていることを前提にした授業があります。 卒業研究で必要となることもあります。 この授業で UNIX を学ぶ大きな理由は,それらの準備のためです。 加えて,今後の授業の目的には, UNIX の実習を通じて, コンピュータ一般に関わる知識を身に付けることも含まれています。 すなわち,今後の授業で扱う内容の多くは, UNIX 以外の OS を用いる場合にも理解しておくべき基礎的事項も多く含まれます。

UNIX は大学等の学術機関や研究所などに普及している OS で, 様々なシステムの開発や研究が UNIX を使って行われています。 企業等でも,特に Web やデータベース等のサーバ用途に, UNIX が広く採用されています。 従って, UNIX の利用法やその基礎的概念を学べば, それらは将来,直接あなたの役に立つかもしれません2