表計算ソフトウェアでは入力したデータ項目や計算結果を並べ替え(ソート)することができます。
資料 5.「文書作成と表計算(1)」の「表4:函館市年齢別人口表」を元に作成したファイル data03.xlsx を Excel で開きましょう。
このデータでは,若い世代から年齢順に男女の人口および総計が並べられていますが,たとえば男性の人口をキーにして昇順で並べ替えすれば,男性の人口が少ない順にソートされます。
まず 並べ替えを行いたい範囲のセルを選択します。次に「データ」タブの「並べ替え」ボタンを押します。ここで,最優先されるキー(つまり,優先したい列)を選択します。あわせて,「昇順」(小さい順)で並べ替えるのか,「降順」(大きい順)で並べ替えるのか,も選択しておきます。
ワークシート内のデータを用いて作成できるグラフにはいくつかの種類がありますが,データに応じて適切なグラフを選択する必要があります。代表的な3種類のグラフ(円,棒,折れ線)について,それぞれどう使い分ければよいか確認しましょう。
グラフには様々な種類がありますが,一般的によく用いられるのは下記の種類です。
第 5 回資料で作成したファイル data01.xlsx を Excel で開いてください。
グラフを作成するには,まず,グラフ化したい範囲を指定します。「名称」,「人口(人)」,「世帯数(数)」の 3 列のセルから,列タイトルを含んだ 4 行分を範囲指定してください。
その後,「挿入」タブから「グラフ」の「縦棒」ボタンを押して,「2-D 縦棒」の中の「集合縦棒」をクリックすると,次のようなグラフができあがります。
Excelでは,グラフの各部分に,次のような名前がついています。
各要素を右クリックするとメニューが表示され,そこから要素に変更を施すことができます。また,グラフを選択した状態では,Excel のウィンドウ上部に「グラフツール」が表示されています。ここの「デザイン」,「レイアウト」,「書式」の各タブからグラフの変更が行えます。
グラフの変更を少し試してから「上書き保存」をしてください。ファイル名が data01.xlsx のままで元の場所に保存されます。
ファイル data03.xlsx を Excel で開き,次のグラフを作成してみましょう。 今回は,年齢層による人口の変化がわかりやすいように「折れ線グラフ」を使うことにします。まずはこれを眺めてみましょう。
レポートや論文でのグラフの役目は,自分の意見の根拠を示したり,その補強を行うことです。したがって,第三者が読む際に,最低限必要な項目が盛り込まれていなければなりません。
今回の授業では「数値軸」「項目軸」および「凡例」を,グラフに必要な要素とし,これらを修正することで,読みやすいグラフを作成します。
凡例(はんれい)は,グラフを読む際の手がかりになります。例えば,上の図の折れ線グラフでは,凡例がない場合,どの折れ線がどの項目の変化を示しているのか,わかりません。
凡例の文字列が長く,読みづらい場合,修正する必要があります。ただし,凡例の場所やフォント等は,凡例の上で右クリックして表示される「凡例の書式設定」において変更可能ですが,文字列自体を変更するには凡例に対応するセルの内容を書き換える必要があります。
グラフの軸には,軸のラベルと単位を記入します。さらにグラフを読みやすくする工夫も必要です。
軸にラベルを入れるには,「グラフツール」の「レイアウト」タブにある「軸ラベル」が使えます。
上記の折れ線グラフでは,「数値軸」に 0 から 16000 まで 2000 ずつ目盛りが振られ,目盛り線が描かれています。目盛りや線をこれ以上増やすとグラフが読みにくくなりますので,1000 毎の補助目盛りを入れてみます。
数値軸に補助目盛りを付けるには,数値軸を右クリックして「軸の書式設定」の「補助目盛線間隔」と「補助目盛の種類」を適当なものにします。
一方の「項目軸」では,この軸に対応する各セルのデータ(文字列)が長いため,読みにくくなっています。そのため項目軸のフォントの大きさを変更したり,対応するワークシート内のデータ自体を変更して修正します。また,折れ線グラフ上の各点の位置と項目軸の目盛りは対応する場所にあるのがよいでしょう。
項目軸の目盛りとグラフ上の点の位置を合わせるには,「軸の書式設定」の「軸のオプション」から「軸位置」を「目盛」に変更します。 軸の文字列を横向きにするには,「軸の書式設定」の「配置」で「文字列の方向」を「横書き」にします。
下の図のようにグラフを修正してみましょう。 作業を終えたらワークシートを上書き保存してください。
ここまで表計算ソフトウェアでのデータ入力およびグラフ作成について学びました。表計算ソフトウェアでグラフを作成するのは,レポートや論文などで利用するためです。
本章では,Excel で作成したグラフを Word の文書に貼り付ける方法について学びます。
貼り付けるグラフには第4章で作成したものを利用します。
ExcelとWordを起動させておき,それぞれのウィンドウを開いておく。
レポートや論文でグラフを用いる際は,グラフの内容を適切に表したタイトル(キャプション)をつける必要があり,かつ,そのグラフがどのようなデータに基づいているのか(データを参照しているのか)を「出典」として記述する必要があります。ここではグラフを作成する際に参照したデータがありますので,それをもとにキャプションと出典を記しましょう。
グラフ(図)や表のキャプションには通し番号が必要ですが,Word の「図表番号」の機能を用いると,これを自動的に行えます。このためのボタンは「参考資料」タブにあります。タイトルは文書に直接書きます。
グラフに対して出典などの注釈を直接つけるには,Wordの「挿入」タブの「テキストボックス」の機能が使えます。グラフのタイトルも含めてテキストボックスに入れることもできます。 テキストボックスを右クリックして「テキストボックスの書式設定」メニューを選択すれば,テキストボックスの様々な表示設定を行うことができます(グラフの貼り付け例)。
Excelで入力したデータを「表」としてWordの文書に貼りつけるには,まず貼りつけたいデータを範囲指定します。
範囲指定したデータを「コピー」したら,Word に「貼り付け」ます。
文書に貼りつけた表にもタイトルと出典をつけるのをお忘れなく。 なお,Word の「図表番号」機能を使って通し番号を付ける際には,「ラベル」を「図」から「表」に変更してください。 また,図の番号やタイトルは図の下につけるのが普通ですが,表の場合は表の上です。
Excelにて入力,加工したデータは,通常Excel形式のファイルとして保存されますが,他の形式のファイルとしても保存することが可能です。もちろん他の形式のファイルであってもExcelにて読み込めます。Excel形式以外の他のファイル形式として,主なものは以下のものです。 iii
ここであげたファイル形式はテキストファイルであり,データ項目の区切りにどのような文字を使うかで分類することができます。
練習用のワークシートを data04.xls として用意しています。これをダウンロードして適切な場所に保存し,開きます。このデータを csv形式 として保存します。「名前をつけて保存」を選択し,「その他の形式」を選び,現れたダイアログの「ファイルの種類」を「CSV(カンマ区切り)(*.csv)」に変更したうえで保存します。ちなみにCSVは略語で Comma Separated Values という意味になります。 なお,ファイル名は data04.csv として適切な場所に保存しましょうvi。
ここで,いったん Excel を終了させます。
まずは「マイコンピュータ」から先ほど保存したファイルがあるか確認します。 v テキストファイルを作成・編集するソフトウェアをテキストエディタと呼びます(以下「エディタ」と呼びます)。Windows XP では「メモ帳」という簡易なエディタが利用可能ですが。今回は I ドライブにある「TeraPad」というエディタで先ほどのファイル data04.csv を開いてみます。 vi
データが行ごとに改行され,また列ごとに「,」(カンマ)で区切られていることがわかりますね。
さきほど解説したように,csv形式のファイルはテキストファイルですのでエディタにて作成することが可能です。ここでは,下記のデータを例題としてTeraPadに入力し,csv形式のファイルとして保存しましょう(ファイル名は data05.csv とします)。そして作成,保存したファイルをExcelで読み込んでみてください。上手く表示されていますか?
調査月,支持する,支持しない 1月,29,59 2月,21,64 3月,, 4月,27,59 5月,28,55
NHK放送文化研究所「政治意識月例調査」(2011年5月版)より作成。
※3月調査は東日本大震災発生で調査打ち切り
Excelできちんと読み込めたのなら,Excel形式のファイルとして保存します(ファイル名は data05.xls とします)。
このようにcsv形式(prn形式やtxt形式も含む)のファイルはテキストファイルなので,Excelを使わずに作成することが簡単にできます。またExcel以外の表計算ソフトでも読み込むことができるため,大量のデータを入力する場合やウェブサイトを通じてデータを配布したい場合によく使われるファイル形式です。
脚注