Excelにて入力,加工したデータは,通常Excel形式のファイルとして保存されますが,他の形式のファイルとしても保存することが可能です.もちろん他の形式のファイルであってもExcelにて読み込めます.Excel形式以外の他のファイル形式として,主なものは以下のものです. i
ここであげたファイル形式はテキストファイルであり,データ項目の区切りにどのような文字を使うかで分類することができます.
練習用のワークシートが data03.xls として用意しています.これをダウンロードして適切な場所に保存し,開きます.このデータを csv形式 として保存します.メニューの「ファイル」-->「名前をつけて保存」と選択し,「ファイルの種類」を「CSV(カンマ区切り)(*.csv)」に変更したうえで保存します.ちなみにCSVは略語で Comma Separated Values という意味になります. なお,ファイル名は data03.csv として適切な場所に保存しましょう. ii
いったんExcelを終了させます.
まずは「マイコンピュータ」から先ほど保存したファイルがあるか確認します. iii テキストファイルを作成・編集するソフトウェアをテキストエディタと呼びます(以下「エディタ」と呼びます).Windows XP では「メモ帳」という簡易なエディタが利用可能ですが.今回は I ドライブにある「TeraPad」というエディタで先ほどのファイル data03.csv を開いてみます. iv
図1:csv形式のファイルをTeraPadで開いたところ
この図のように,データが行ごとに改行され,また列ごとに「,」(カンマ)で区切られていることがわかりますね.
さきほど解説したように,csv形式のファイルはテキストファイルですのでエディタにて作成することが可能です.ここでは,下記のデータを例題としてTeraPadに入力し,csv形式のファイルとして保存しましょう(ファイル名は data04.csv とします).そして作成,保存したファイルをExcelで読み込んでみてください.上手く表示されていますか?
調査月,支持する,支持しない 1月,20,71 2月,18,71 3月,18,71 4月,30,60 5月,35,53 6月,29,60 7月,21,70 8月,23,64 9月,15,74 9月(緊),72,16 10月,70,18 11月,65,21 12月,56,34
NHK放送文化研究所「政治意識月例調査」(2009年12月版)より作成. v
9月(緊)=鳩山新政権発足に伴う電話世論調査
※2009年9月までは麻生内閣,9月途中からは鳩山内閣への支持率.
Excelできちんと読み込めたのなら,Excel形式のファイルとして保存します(ファイル名は data04.xls とします).
このようにcsv形式(prn形式やtxt形式も含む)のファイルはテキストファイルなので,Excelを使わずに作成することが簡単にできます.またExcel以外の表計算ソフトでも読み込むことができるため,大量のデータを入力する場合やウェブサイトを通じてデータを配布したい場合によく使われるファイル形式です.
ここまで表計算ソフトでのデータ入力およびグラフ作成について学びました.前回,前々回の授業で解説したように,表計算ソフトでグラフを作成するのは,レポートや論文などで利用するためです.
そこで今回は,レポートや論文を執筆する際に良く利用されるワープロにおいて,表計算ソフトで作成されたグラフを利用する方法を学びます. 具体的にはExcelで作成したグラフをワープロの「Word」に「貼り付ける」方法について学びます.
まずはグラフを作成します. さきほど保存したExcel形式のファイル( data04.xls )を利用します.ひとまずこのようなグラフを作成しました.
---> 例題データ( data04.xls )をグラフ化
ExcelとWordを起動させておき,それぞれのウィンドウを開いておく.
グラフを文書に貼りつけたままでは良くありません. レポートや論文でグラフを用いる際は,グラフの内容を適切に表したタイトル(キャプション)とつける必要があり.かつ,そのグラフがどのようなデータに基づいているのか(データを参照しているのか)を「出典」として記述する必要があります. ここではグラフを作成する際に参照したデータがありますので,それをもとにタイトルと出典を記しましょう.
グラフのタイトルはWordにグラフを貼りつけた後で直接書くことができます.またExcelのグラフ作成機能には,グラフに対して出典などの注釈を直接つける機能がないので,Wordにおいて「テキストボックス」の機能を用います.
Wordのメニューから「挿入」--->「テキストボックス」--->「横書き」と選択します.つぎに,テキストボックスを置きたい任意の場所で,マウスをドラッグします.
適当な大きさまでドラッグしたら,テキストボックスの完成です.ボックス内では普通の文書作成と同様に文字入力ができます.テキストボックスはクリックし,選択してやることで,位置や大きさを調整することができます.このようになりました.
---> タイトルと出典をつけてみました.
Excelで入力したデータを「表」としてWordの文書に貼りつけるには,まず貼りつけたいデータを範囲指定します. ix
範囲指定したデータを「コピー」したら,Wordにてメニューから「編集」--->「貼り付け」を選びます.
ここではグラフの場合と同様の操作で貼りつけます.うまく貼りつけられたでしょうか. なお,文書に貼りつけた表にもタイトルと出典をつけるのをお忘れなく.
もし,ここの操作により困る現象がおきるとしたら,データを貼りつける際に「編集」メニューの「形式を選択して貼り付け」から「Microsoft Excel グラフ オブジェクト」を選択した場合です.
これは,Microsoft社の「OLE」という機能を使った操作ですが,この授業ではとりあげません.気になる人は、ExcelやWordのヘルプや, 検索サイトなどで,情報収集して確かめましょう.
脚注