1.5 ディレクトリ間のファイルの移動と複写
前回は,
mv と cp の引数に二つのファイル名を与え,ファイル名の変更とファイルの複写を行いましたが,
これらの最後の引数に既存のディレクトリ名 directory
を指定すると,mv と cp は次のとおり動作します。
mv file directory |
file を directory に移動する |
cp file directory |
file を directory に,同じ名前のファイルとして複写する |
mv の場合,file としてディレクトリ名を与えれば,
ディレクトリを別のディレクトリに移動することもできます。
以下を試しましょう。
- 準備
- cd コマンドを引数無しで実行して,カレントディレクトリを
ホームディレクトリにしておきましょう。
- ホームディレクトリに通常のファイル now はありますか?
中身はどうなっていますか?
ファイル now が無ければ date > now で作成してください。
- ディレクトリ tmp がホームディレクトリに存在することを ls -F
で確認してください。
- ファイルの移動
- ファイル now をディレクトリ tmp に移動します。
mv now tmp を実行してください。
- ls を実行して,ホームディレクトリから now が無くなったこと
を確認しましょう。
- ls tmp を実行して,ディレクトリ tmp に now が存在することを
確認しましょう。
- カレントディレクトリを tmp に変更してから,ファイル now の内容を
見てみましょう。now はディレクトリ tmp に移動できていますね。
- ファイルの複写
- ディレクトリ tmp のファイル now を親ディレクトリ(ホームディレク
トリ)に複写します。
cp now .. を実行してください。
- ls を実行して,
カレントディレクトリ (tmp) に
now が残っていることを確認しましょう。
- ls .. を実行して,親ディレクトリ (ホームディレクトリ) にファ
イル now ができ上がったことを確認しましょう。
- カレントディレクトリ (tmp) のファイル now の内容を見てみましょう。
- カレントディレクトリを親ディレクトリ (ホームディレクトリ) に変更
して,now の内容を見てみましょう。
ディレクトリ tmp のファイル now は,ホームディレクトリに複写され
ましたね。
以上,ファイルやディレクトリの最も基本的な操作法である,カレントディレク
トリに存在するファイルの操作や,カレントディレクトリの親および子ディレク
トリへのファイル複写や移動の方法について学びました。
カレントディレクトリがどこであるかに拘らず,
任意のディレクトリに存在するファイルを操作することもできます。
その方法は次章で学習します。